規格からみる粘度や効果の違い
冷間時のクラスは、
0W、5W、10W、15W、20W、25Wの6段階あり、
温間時のクラスは、
20、30、40、50、60の5段階あります。
( 一部、オイルメーカーでは正式な試験を通過はしていないものの、70相当の
ものもあるようです。)
この0Wや20の数字が大きいほど粘度が高い、つまり固いオイルということになり、
低温時と高温時の粘度の組み合わせから、オイルを選びます。
例えば、「SAE 0W20」のオイルの場合には、
冷間時のオイルの粘度「0W」が一番低いクラスなので、抵抗が小さく、始動性がとても良く、エンジンはかかりやすいということと、エンジン始動直後の各部へのオイル到達もとても速いが、
高温時の粘度「20」も一番低いクラスなので、暖まってきた段階での油膜が薄く、油膜切れがおこりやすいため、摩耗はしやすい。ということになります。
逆に、「SAE 25W60」のオイルの場合には、
冷間時のオイルの粘度「25W」が一番高いクラスなので、抵抗が大きく、エンジンがかかりにくくなってしまったり、
エンジン始動直後にも、エンジン内各部へのオイル到達もとても遅い為、長めの暖機をしないとオイルが行き渡らず、オイルがまだ届いていない部品に張られている油膜が薄いため、油膜切れを起こしやすいため、摩耗する可能性が高くなってしまうが、
暖まってきて粘度が低下してきても、高い粘度を保っているので油膜も厚く、摩耗しにくいが、抵抗も大きいのでパワーのロスや燃費も悪化するということになります。
では、「SAE 0W60」のオイルはどうかというと、
冷間時の粘度「0W」は低いクラスで、抵抗が少ないためエンジンの始動性もよく、
温間時の粘度「60」は高いクラスなので、オイルが暖まってきても粘度は高いため、
油膜が厚い為、摩耗はしにくく、一番幅広い使用環境に対応できるオイルとなります。
ただし、2015年現在、このようなオイルは存在せず、現実的には(2015年現在では)0W50などが一番幅広い範囲をカバーするオイルとなります。
このように、幅広い温度に対応できるようなオイルをワイドレンジオイルといいます。