車に必要な電気
電気で動く様々な機器
車には、様々な装置が搭載されています。スピードメーターはもちろんのこと、エアコン、オーディオ、カーナビ、ヘッドライト、ルームランプ、テールランプ、パワーウィンドウなどは、電気で動かすものです。
電気が無ければ、それらの機器は使用できません。
このような電気で動く機器を、電装品と言います。
また、電装品の他にも、エンジンを動かすためには、燃料を噴射する為の装置であるインジェクターや、気化した燃料に点火するためのスパークプラグなど、エンジン回りの部品にも電気を使います。
電気をどこから取り出しているのか
電気は「バッテリー」から取り出しています。
しかし、バッテリーの電力だけで電装品を使用してしまうと、数十分~数時間でバッテリーの電気は無くなってしまいます。
携帯電話、スマホを使用していて、バッテリーの残量が減ってきたら、みなさんはどうしていますか?充電しますね。
車の場合は数十分~数時間でバッテリーの残量が無くなってしまうのに、実際にはもっと長い時間使用できます。
車のバッテリーはエンジンを使って充電している
車のバッテリーは、エンジンの回転する力を利用して充電しています。エンジンが燃料を燃やして作りだした力は、回転の力として出力されます。
エンジンで作りだした回転の力をベルトで伝えて、発電機を回します。発電機で作りだした電気でバッテリーを充電しているのです。
この発電機を、「オルタネータ(もしくは古い言い方だとダイナモ)」と言います。
充電能力 対 使用電力
エンジンがかかっていれば、オルタネーターが充電してくれるので、バッテリーは充電されていきます。
しかし、電装品を多く使用していると、オルタネータの充電能力よりも、使用電力が多くなってしまい、バッテリーの電力が落ちてしまう場合があります。
また、エンジンを停止した状態のまま、電装品を使用する場合も、バッテリーの電力をどんどん奪ってしまうことになります。
また、車を使用していない時でも、車内の時計や、エンジンの動作を管理するコンピューター(ECU)など、記録しておかなくてはならないものなどに、わずかに電力を供給しているため、
何も電気を使用していないと思うような時でも、バッテリーが車に接続されている限り、常に電力は使われています。
バッテリーを満充電にするには
車をしばらく使用しなかった場合や、
毎日使用はしているが電装品をたくさん使用してしまい、
バッテリーが弱ってきてしまった場合には、より多くの充電が必要です。
そんな時にはどうすればいいのか?
電装品の使用をなるべく控え、オルタネーターの発電量を増やしてあげましょう。
電装品の使用をなるべく控えるというのは、例えば、オーディオを消す、エアコンを消す、ルームランプを消す、カーナビを消す、などです。
オルタネーターの発電量を増やすには、エンジンの回転数を上げます。オルタネーターはエンジンの回転する力を借りて発電するので、発電能力は、エンジンの回転数に左右されます。
エンジンの回転数をある程度上げてあげれば、充電能力も上がるということになります。
ただし、極端に回転数を上げてしまうと、急激な発電となってしまい、バッテリーに大きな負担がかかってしまうため、急激に発電しすぎないよう制御されていますので、回転数を上げれば上げた分だけ充電されるわけではありませんので、ご注意ください。
では、回転数を上げるにはどうしたらいいのかというと、走ればいいのです。欲を言えば、停止してしまうと発電量が減ってしまうので、信号や交通量の少ない道を走るのがおすすめです。
オルタネーターとエンジンの関係について
エンジンとは本来、発生した力をタイヤに伝えるためのものです。その力の一部をオルタネータが発電に使用してしまうため、その分、タイヤに伝わる力は弱くなってしまいます。
つまり、オルタネーターを動かすために、エンジンのパワーを一部使用してしまい、パワーダウンの原因にもなってしまうということです。
そこに着目し、ある程度バッテリーが減るまでは充電しないようにして、エンジンの力をフルに発揮できる時間を多くすることで、燃費を良くしようという車が近年増えています。主に、エコカーと称される車にこの機能は取り入れられることが多いです。
ただし、そのような使い方をすると、バッテリー自体の寿命は短くなってしまう傾向にあります。
燃料の使用量を減らしてバッテリーの寿命を縮めるエコカー形式がいいのか、バッテリーの寿命は減りにくいけど、燃料の使用量は多くなってしまう従来の充電方式がいいのか、どちらが安上がりになるのかは、その時の燃料代(原油価格)と、バッテリーの価格によって変わるでしょう。
ただ、バッテリーの寿命が短くなってしまうということは、バッテリー交換というメンテナンスの機会が増える。ということにもなりますし、充電を制御するための装置がひとつ多く必要になり、車の重量増となることなど、デメリットもあります。