タイヤの空気圧の調整方法について

タイヤの空気圧を調整する前に

タイヤには、適正な空気圧があります。適正といっても、この数値にしなくてはいけないというものではありませんが、タイヤの持っている負荷能力が、車の要求する負荷能力を下回らないようにする必要があります。

 

タイヤの持っている負荷能力とは、タイヤに空気を入れた状態で、どの程度の重さまで支えることができるのかという能力のことで、負荷能力を下回らないようにするというのは、車の重量を支えるために必要な空気圧で空気で充填する必要がある。ということです。

 

ですので、タイヤの空気圧を調整する際は、基本的には適正空気圧を充填する必要があるということを覚えておいてください。

 

適正空気圧について詳しくは、別ページの「タイヤの適正空気圧について」で解説しています。

 

 

空気圧の変化について

タイヤの空気圧は、タイヤの温度や、大気圧によって変化します。空気だけに限った話ではありませんが、タイヤ内の空気が温まると膨張し、空気圧が上昇します。

 

ですので、空気圧を調整するタイミングによっては、空気圧が変化し、負荷能力が下がり、車の荷重を支えられなくなってしまう場合があります。

 

温度による変化

タイヤには空気を入れていますが、空気は暖まると膨張します。また、車を走らせると、タイヤは地面との摩擦による発熱と、地面の凹凸によるタイヤの変形時の発熱によって、タイヤ内の空気の温度が上昇します。

 

また、気温によってタイヤの温度は変化します。加えて、影響が大きいのが、路面の温度です。路面温度は気温以上に大きく変化しますので、路面に接地するタイヤの温度の変化も大きくなるので注意が必要です。

 

大気圧の違いによる変化

標高の高い山などに出向くと、大気圧が下がるので、タイヤ内の空気圧が上昇します。お菓子を山にもっていくと袋がパンパンに膨れてしまうのと同じ原理です。

 

普段から標高の高い場所で車を運用している方は、標高の低い場所へ移動すると、空気圧が下がってしまいますし、その逆もしかりですので、注意が必要です。

 

自然に抜ける

タイヤは、ホイールに組み込むものですが、車を走らせていると、ホイールに組み込んだ位置から、ズレていきます。ホイールが空転し、タイヤが回らないといったらオーバーですが、わずかにそういう瞬間があります。

 

それが自然に空気が抜けてしまう原因の全てであるとは言えませんが、車を走らせていると、自然に少しずつ空気が抜けていきます。

 

タイヤか、ホイールの異常

タイヤにキズがついていたり、釘が刺さっていたり、わずかに裂けていたり、ホイールが歪んでいるなど、何かしらの異常がある場合には、少しずつ空気が抜けていきます。

 

 

長い前振りになってしまいましたが

以上のことを踏まえたうえで、空気圧を調整するようにしてください。空気圧が変化するということをきちんと把握していないと、変化した時の原因が分からず、危険な値に調整してしまうことも考えられます。

 

また、空気圧の調整は正しく出来ていても、季節の変わり目などに空気圧を調整してしまったために、空気圧が大きく変化してしまい、タイヤやホイールに異常がある?などと勘違いしてしまうことなども考えられますので、空気圧の変化のことについて先に触れておきました。

 

それでは本題に入ります。

 

 

空気圧の調整方法について

 

タイヤの空気圧は、ホイールで調整する?

タイヤは、ホイールに組み付けます。タイヤの空気圧を調整する際は、この、ホイールについているエアバルブから空気を補充したり、抜いたりして調整します。

 

金属製のエアバルブや、

 

ゴム製のエアバルブなどがあります。

 

このエアバルブの先端についているバルブキャップ(これも金属製、ゴム製あります)を外して、エアバルブに空気を入れるもの(空気入れ)を装着して、空気を出し入れします。

 

エアバルブは消耗品で、劣化してくると空気漏れの原因になりますので、タイヤ交換の際に、合わせて交換しておくと安心です。

 

尚、自分で空気圧を調整することを検討している方には、金属製のバルブをおススメします。ゴム製のバルブに空気を入れる時、安価な空気入れを使用するとバルブがしなってしまい、空気の出し入れがしにくいです。

 

 

 

おすすめの調整方法

ガソリンスタンドで、空気圧の調整を済ませてしまう方も多いと思いますが、ガソリンスタンドまでは車を走らせて行くと思います。それだと、走行後の、タイヤが暖まった、空気圧が上昇した状態での空気圧調整になってしまいます。

 

そのため、車をしばらく停止し、タイヤの温度が下がってくると、ガソリンスタンドで調整した空気圧よりも、下がってしまう場合があります。

 

ですので、まずは、いつでも空気圧を計れるように、エアゲージを購入することをおすすめします。

エーモン 6777 エアゲージ


(こちらのエアゲージは私も使用しています。誤差はわずかにありますが、プロでなければこれで十分です。ただし衝撃に弱いようなので、落とさないように注意が必要と思います。)

 

ガソリンスタンドでは少し高めの空気圧に調整し、帰宅後、タイヤが冷えてからエアゲージを使って空気を抜きながら調整します。

 

できれば、例えば翌朝などの、一日の中で比較的気温の低い時に、調整しておくと、それ以上空気圧が下がらないので、空気圧不足にならず安心です。

 

 

 

空気圧を意識しはじめたあなたへ

慣れるまではなるべく頻繁に空気圧の確認を行ってください。暑い、寒いなどの寒暖の変化や、どの程度走行したらどのくらいタイヤの空気圧が上がるのか。といったことはだんだんわかるようになってきます。

 

また、タイヤの規格毎に入れてもよい最大空気圧は異なりますが、この範囲内で、入れてもよい最大空気圧まで入れてみてください。

 

規格毎に入れてもよい最大空気圧を確認するには、こちらをご覧ください。

 

乗り心地や、ハンドリングなどの違いを確かめておくと、万が一空気が抜けてしまった時に早めに気付くことができるようになるかもしれません。

 

 

 

空気圧によって変わる走り

 

空気圧が高いと

空気圧を高めに設定すると、転がり抵抗が減り、よく転がります。これによって、燃費もよくなります。また、タイヤがヨレにくくなるため、旋回時のハンドル操作に対する応答性が良くなります。

 

ただし、タイヤの接地面の中央が膨らみ、タイヤの減り方も真ん中が早くなります。したがって、接地面積が減ってしまい、グリップ力が最大限発揮できない場合があります。

 

また、タイヤがパンパンに張っているため、釘などが刺さりやすくなってしまいます。

 

空気圧が低いと

空気圧を低めに設定すると、タイヤが変形しやすくなってしまうため、転がり抵抗が増え、転がりにくくなってしまいます。また、旋回時の応答性が悪くなります。(ハンドルを切っても車の向きが変わり始めるまでの時間が長くなります)

 

また、タイヤの両サイドが地面に接地するようになり、中央部分の負担は少なく、両サイドの減りが速くなります。(片側だけが減る場合には、タイヤの空気圧ではなく、アライメントが狂っていることが考えられます)

 

タイヤが変形しやすいため、路面からの衝撃を吸収しやすく、乗り心地は良くなります。ただし、キビキビとした走りが好きな方には、フニャフニャしたタイヤの感触が不快に思う場合もあるかもしれません。

 

 

 

どのくらいの空気圧にすればいいのか

基本的には、純正サイズのタイヤであれば、純正の空気圧にすることが理想ですが、そうしなくてもかまいません。

 

空気圧によって乗り味や走りに変化があることを踏まえたうえで、キビキビした走りで燃費を良くしたい方は、高めの空気圧に、乗り心地を重視したい方は低めの空気圧に設定すると良いと思います。

 

ただし、きちんと適正空気圧を確認し、車が要求する負荷能力を下回らない範囲内で調整するようにし、その範囲内で、お好みの空気圧に調整するようにしてください。

 

このことに関しては別ページで詳しく解説しています。
タイヤの適正空気圧について

 

 

空気圧調整のタイミングについて

空気圧は、自然に少しずつ抜けて低下したり、釘が刺さって空気が抜けやすくなることもあります。一気に抜けるような場合には、気付きやすいですが、除々に抜けるような場合には、気付きにくいものです。

 

ですので一カ月に一度はチェックするように呼びかけられています。

 

ただ、意識して運転することを続けていれば、タイヤの空気が減ってきていることや、左右のタイヤの空気圧の差がある場合には、すぐにわかるようになってきます。

 

そうなれば、必ず一か月に一度点検する必要はないと私は考えていますが、慣れない内は、頻繁に、いくらでも点検するといいと思います。点検はいくらしても悪いことはありませんし、空気圧を変えることで変わる走りを感じながら、好きな空気圧に調整するのは楽しいものです。

 

タイヤの空気圧の調整は、地味ですが、腕のいいドライバーほど、空気圧を気にすると言われています。車を好きになるきっかけにもなりますし、変化する走りを感じれるようになれば、パンクさせてしまうリスクを減らすこともできますし、点検の頻度も下げることもできます。

 

 

 

パンクしてしまったら

ただちに停車し、パンクを修理するか、スペアタイヤに交換してください。

 

空気が抜けた状態のまま走行してしまうと、ホイールが歪んでしまい、空気が抜けやすくなってしまったり、最悪の場合、使用出来なくなることもあります。

 

早めにパンクに気付く為にも、空気圧が低い時と、高い時の、乗り心地や操作性の差を知っておくということは大切です。

 

パンクした時の詳しい対処方法については別のページでも解説しています。
タイヤがパンクしてしまったら

 

 

自分で空気を入れたい場合は

いくつか方法がありますので、ご紹介します。

 

持ち運びに便利(シガーソケット編)

小型のコンプレッサーを使用すれば、自分でエアを補充できます。小型なので、持ち運びにも便利です。ただし、稼働音が非常にうるさいので、迷惑にならないような場所、時間帯にしか使用できません。

BAL ( 大橋産業 ) エアー コンプレッサー 496


これは、車のシガーソケットから電源をとって使用するもので、とてもコンパクトなので、車載してもあまりかさばりませんし、パンク修理キットと一緒に持っていれば、いざという時に自分で対処出来ます。

 

ただし、連続稼働時間が長いと、発熱してくるので、車2台分以上のタイヤに空気を充填したい場合には、続けて使用せず間隔をあけて、コンプレッサーが冷えてきたことを確認してから使用すると良いと思います。

 

いつでもどこでも編

足踏み式のものなどもあり、電源を必要とせず、小型で便利です。
が、私が過去に使用していたものは、現在の商品ラインナップを見ても、先端のバルブの作りが良くないものが多く、あまりおすすめできません。一応、こんなやつです。

BAL ( 大橋産業 ) 空気入れ ツインシリンダー 1920

 

 

出先での使用を考えなければ

自転車用の空気入れが一番ベストです。空気を入れる先端が、米式バルブに対応していれば、車にも使うことができます。自転車のタイヤの方が高い空気圧を要求するため、自転車用の空気入れで車のタイヤに空気を入れるのは至って簡単です。

 

まともな自転車用空気入れをお持ちの方はそれを使用して空気を入れても全然問題ありませんので、一家に一台あると便利かもしれませんね。

 


自転車についてはあまり詳しくないのですが、空気入れとしては、Panaracer(パナレーサー)が一番コストパフォーマンスが良さそうです。

 

いいものを探したいという方は、TOPEAK(トピーク) というメーカーの上位モデルがよさそうです。私は小型のコンプレッサーで事たりているので今は必要ありませんが、もし次に購入する場合には、パナレーサーか、トピークのどちらかを購入すると思います。